誰も書かなかった葬儀のお話『エレベーター編』

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(写真のエレベーターは本文と関係ありません)

私が友人の家などのマンションでエレベーターに乗ると、まず最初に「このエレベーターに棺が乗るかどうか」を見ます。

エレベーター(葬儀用語?では略して“ベータ”と呼びます)には奥に若干広くなるスペースがあり、ふだんは扉が閉まっています。その扉の鍵を管理人さんなどから借りて扉を開け、そのスペースを活用して棺を乗せます。スペースのないベータは棺を立てて入れるか、故人をいったん棺から出して別々に階下へお運びしてまたお入れしたりします。

夏場などは棺に入れて防腐処置をしないとお身体の損傷が早いのです(人間も“動物”です。お忘れないよう!)

いまのほとんどの家屋は葬儀が家で出来る想定で作られていませんので、玄関から廊下から階段からエレベーターまで、すべての規格が棺サイズに合っていません。いくら廊下が広いからといっても直角に曲がる廊下だと棺は曲がれないのです(みなさんの想像以上に棺って大きいです)。
昔、斜めにすれば棺に入れたまま運べるベータがあって、故人をお入れしたままベータでお運びしました。斜めに運ばれて故人もさぞびっくりしたかもしれませんね。

『開延長ボタン』も重要です。普通みなさんが乗るときは何も気にされないでしょうが、我々がベータを使う時、これがあるとないとで気の遣い方が大きく違います。これで何度痛い目に遭ったか数知れません。やはり故人様をベータにお乗せするときにドアは閉まって欲しくないのです。たまにあまりに開いている時間が短いベータがあります。それは古いベータに多いのですが、もう頭に来るくらい短い。

『開延長ボタン』があると長くドアが開いてくれるのでとても安心です。これからのベータにはすべてこのボタンを付けて欲しいです。

これからエレベーターに乗るときは『奥の扉』と『開延長ボタン』に注目して下さい。もし見つけて胸がキュンとしたら、あなたは葬儀屋になる素質があります笑