誰も書かなかった葬儀のお話『夜間窓口編』

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人が亡くなると、病院の先生やかかりつけ医師より“死亡診断書”というのが発行されます。何月何日にどこで誰が何で亡くなったということが記載された書類です。これが重要な書類で、これを葬儀屋が預かり役所へ届けて「火葬許可証」というものを発行してもらいます。これがまたまた重要な書類で、これがないと火葬場で火葬してもらえません。たまに「◯◯葬儀社が許可証忘れたんだって・・」という話を聴くとゾワッとします。きっと光の早さで事務所に取りに帰るんだと思います。

預かった死亡診断書は区役所や市役所へ届けるのですが、ご存知の通り夕方五時以降や土日祝日は窓口は閉まっています。葬儀はウィークデイに限ったことではないので、土日祝や五時以降は役所の夜間窓口へ行って申請します。窓口にはたいがい「おっちゃん」が詰めており(「おばちゃん」がいるのは見たことありません)、とりあえず受理してくれます。で、日中の業務が始まったらそこに回されて書類に不備がないか確認して処理されます。私たちもできるだけ日中の窓口に行きたいとは思いますが、葬儀の日程などでどうしても夜間窓口にも行かざるを得ません。

ある土曜日、私は死亡診断書を持ってある区役所へ行きました。車を停め、夜間窓口を目指していると、女性の甘~い声で
「あれー、窓口開いてない。どこかなあああ~?♡」
見ると若いカップルです。私は一瞬で見抜きます。
「婚姻届の申請だ!!」
夜間窓口は一人ずつしか対応しないので、この二人のあとになっては10分くらいこのラブラブを目の前で見せつけられてしまいます。
「これはイカン!急がねば・・!!」
と歩くのを速めて彼らより先に書類を出し、無事?終了しました。こちらの申請が終わる頃
「ああ、ここだったあああ~♡♡」
とラブラブカップルが夜間窓口に到着。私のあとに婚姻届を出したようです。こちらは死亡診断書、あちらは婚姻届。こちらは葬儀、向こうは結婚や披露宴に新婚旅行に新居・・・いくつかの人生が交錯する夜間窓口。どうぞお幸せに。。。

このように葬儀屋は葬儀式場や火葬場以外でも、日夜“戦って”いるのです(戦ってはいないか・・)