誰も書かなかった葬儀のお話『女納棺師』・・編

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先日「おみおくり」という、女納棺師が主人公の映画を見ました。高島礼子と文音のダブル主演です。
自分の親の不慮の死を受け入れられない女性(文音)が、納棺師(高島)と出会うことにより、精神が自立して成長していく物語で、富山県氷見市の四季が美しく描かれます。
 
女納棺師というのは確かにいて、私も何度も仕事をご一緒させていただいてます。人によっては「ラストメイク」と言ったほうが通じ易いかもしれませんね。
葬儀屋はご家族と何度もお会いして話しているし、写真を見たりして人となりをなんとなくは理解していますが、納棺師はほとんどが故人とは初見です。それでも彼らは生前の写真だけを頼りに生前の肌の色、頭髪や眉毛の生えかた、鼻や頬の盛り上がり、ほくろやシミまで察知して再現してくれます。それは本当にすごい技術です。
 
要請があれば着替えもさせてくれるし、傷や痛んだ箇所があれば整えてくれます。単純な着替えくらいなら葬儀屋もやりますが、さすがに納棺師までのテクニックはありません。納棺(故人を棺に入れること)していたはずなのに、着替えができちゃうって一体どういうこと??とか思います。きっとコツがあるのでしょう。ただただ脱帽するばかり。
ドライアイスも充ててくれるし、顔の周りも綺麗に整えてくれます。もしかすると、生前よりもイイ男/イイ女になるかもしれません。私はいつも故人が男性なら“高倉健並に”、女性なら“吉永小百合並に”と注文してます(冗談ですよ)。納棺師が来てくれると、葬儀屋も心強い限り。
 
ただこの行程は、大抵の場合はオプションとなり、別途に費用がかかります。しかし、私は断然付けることに賛成です。この映画を見て改めてそう思いました。
疑問に思う方はこの映画に登場するメイク技術の数々をご覧いただきたい。私だから言いますが、みんながみんな綺麗な状態で亡くなる訳ではありません。事故死だとか、亡くなって数週間経って発見されることだってあります。病気の内容や使ってたお薬、体質によっては顔の色が変わったり目が開いたり、全く別人のようになることだってあるのです。(目が開くと、たとえ身内でもさすがにコワイです汗)。だからメイクをする・しないは、その時の状態を見て判断すればよいのです。
 
たまに
「私が化粧をしますからメイクは結構です」
というご家族がいたりして任せもしますが、ただの一度たりとも納棺師を超えるメイクに出会ったことはありません。そこはやはりプロ。申し訳ないけど素人とは技術と経験が決定的に違うのです。餅は餅屋なのです。
 
映画『おみおくり』・・興味があったらご覧下さい。(ちなみに仮面ライダーオーズが文音の弟役で出演してます)