誰も書かなかった葬儀のお話 『空飛ぶタイヤ』・・編

download
池井戸潤原作の映画『空飛ぶタイヤ』を観ました。
去年末のドラマ“陸王”がとても良かったので、あのダイナミックさを大画面で感じられるならと、前売りを買っていました。
主演はTOKIOの長瀬智也ですが、共演のディーンフジオカも主演級の役目を果たします。
劇中でハッとさせられる台詞がありました。走行中のトラックから外れたタイヤが当たり妻を亡くした夫が、お参りと謝罪にに来た長瀬たちに言います。
「あなたたちに、何が分かると言うんですか」
私たち葬儀屋は、ついついご家族に対して立派なことを言いがちです。
 
例えば「お気持ちお察し申し上げます」
例えば「天国で見てくれてますよ」
例えば「元気を出してください」・・などなど。
言葉は違うかもしれませんが、こういう内容のことです。
 
でも大事な人を亡くした気持ちは、当事者でなければ分かるはずもありません。分かろうと努力はしますが、完全には分からない。だからお話を聞くしかないのです。「分かります」と言って良い場合と、言ってはならない場面があると思うのです。
 
ただ頷く。
ただ深く頭を下げる。
ただ手を合わせる。
 
この“ただ”というのが、実は重い。ご家族には時間が必要なのです。その時間に応じて言葉を代えて行きます。そこで“元気”だとか“分かります”とかを言えば良い。言葉が必要なご家族と、“ただ”が必要なご家族とあるのです。
 
もう一つ、相対するディーンに長瀬君が言う台詞
「やっと心のある言葉があんたから聞けたな」
私は心ある言葉をご家族や仲間、業者さんに言っているだろうか?ついつい投げやりな言葉を言ったりしてはいないだろうか。すべては一期一会。明日があるなんて誰も分からない。タイヤが飛んで人が亡くなった事故だって、実際あるのです。
 
そんなことを考えながら『空飛ぶタイヤ』を観てました。
ただね・・長瀬君の顔がねぇ〜、ちょっとコワかったかな笑
(ファンの方、すみません。。)