誰も書かなかった葬儀のお話 『葬儀in大雨』・・編

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雨ですね・・・
 
葬儀の天気で一番印象的なのは間違いなく雪の日の葬儀ですが、雨の日の葬儀も、忘れられないものがあります。
 
私が業界に入った頃は、まだいまのように葬儀会館がなく、自宅や町内会館での葬儀が盛んでした。
ある時の町内会館での出棺のこと。前日から降り続いた雨は、出棺時間になっても止みません。私は合羽を羽織って車の誘導係。会館のとなりがちょうど空き地で、そこに会葬客の車を停めていました。
小雨の降る中の出棺、泥を巻き上げて次々と車が出て行きます。ひとしきり見送って、祭壇を片付けようと回したトラックの荷台を整理して、地面に降りたところズボッと足が地面に埋まりました。一瞬なにが起きたか分かりません。
長靴のなかに水が入ってきて
「お〜〜〜!」
と、驚いて状況を理解。どうも窪地に足がハマり、そこに溜まっていた雨水が靴の中に入ってきたのでした。しかしめげていても祭壇は片付きません。私は両足が濡れた旨を説明し、室内作業は仲間に任せて、室外での片付け作業をしました。濡れた長靴で作業をするあの感覚・・ひときわ冷たくて切ない葬儀となったのでした。。
 
最近は葬儀会館の数がぐっと増えて、自宅や町内会館での葬儀も減りました。楽にはなりましたが、なんといいましょうか・・人間味といいましょうか、味気ない感じはします。町内の方もたくさん手伝って下さいましたしね。テントを一緒に組み立てたり案内をしてみたり・・皆でワイワイやりながら葬儀をしていましたね。懐かしいです。
 
この一件以来、雨の日は替えの靴下を持参するようになりました。どんな経験も無駄にしてはいけません。あの空き地もいまはきっと何かが建っているのでしょう。
私の足を吸い込んだ場所です。
 
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